「待ってる」


「えっ?」


「あの河川敷で…来るまで待ってる」




もう、逃げない。

ちゃんと会って伝えたい。


伝わらないなら

伝わるまで、伝えたい。





「ごめん…行けない」



それでもいい。



「…でも待ってるから」



もし、来なかったとしても。

それでも…待つから。




「ごめん、ミチ…行け」



「じゃあね」



翔の言葉を遮るようにそう言うと、あたしは迷うことなく自転車を走らせた。



翔は本当に来ないかもしれない。


だけど、来てくれた時は、もう一度ちゃんと言おう。



「翔が好き」


それだけが…全てだから。