恋色オレンジ*2*〜ずっと青春〜





そして――――




『彼女さん、喜んでくれるといいですねっ』




そう言われながら渡された、小さな紙袋。





『……――』





俺はそれを受け取ると、何も答えることなく無愛想にその店をあとにして。





『ありがとうごさいました――』





聞こえてきたそんな声に反応することもなく、スタスタと足早に帰路についた。






そしてその帰り道……


駅前に停めていた自転車にまたがった俺は、家に向かうこともなく、ゆっくりと自転車を走らせて。




気がつけばあの場所まで、辿りついてしまっていた。