『もういいの!』
そしてミチは、今にも泣きそうなそんな声で、彼女にそう言って。
『ちょっと待ってよ!?もういいって何?ミッチー何も言わないつもり?』
『……もう何も…聞くつもりもない』
『何で?彼氏でしょ?』
『……――』
シーンとした空気が、一瞬で俺達を包んでいった。
『翔ちゃん、映画……今日は無理そうだね』
と、その時。
優花が何を考えているのか、いきなりそんなことをボソッとつぶやいて。
その瞬間、ずっとうつむいていたミチが、スッと顔を上げて…
優花のもとへと歩いていった。
そして――――
『あなたがユカ?ユウカさん?』
ミチは優花に、そう聞いていた。



