そう思ったあたしは、なんだか緊張しながらも、そのまま発信ボタンを押して。
プルルルルル…――と
聞こえてくる呼び出しのコール音に、そっと耳を澄ました。
プルルルルル……――
でも、繰り返し聞こえてくるコール音は、五回、六回…と続いていく。
そして…十回目のコール音を数え、諦めかけたその時。
コール音からガヤガヤとざわついた雰囲気の音に変わって。
『あっ、もしもし?すいません、ちょっと待ってくださいね!翔ちゃーん!電話だよー!』
と…ありえない声が聞こえてきた。
なに…これ。
どうして翔のケータイに、知らない女が勝手に出てるの?



