だからあたしも、ペコっと頭を下げてお辞儀をして。
隣にいるなっちゃんに、誰?とそんな視線を送った。
『あっ、ゴメンゴメン。この人は瀬野寛太(セノカンタ)君。純ちゃんの大学時代の友達でね、カンちゃんっていうんだ』
『あっ、そうなんだ?初めまして。佐藤未知です』
『初めまして!純から話は聞いてたけどマジ可愛いじゃん』
『えっ?』
『ダメだよカンちゃん、ミッチーは高校から付き合ってる彼氏がいるんだからー。ちょっかい出さないでよね』
『はいはい、それもさっき純から聞きましたー、だから出さねーっつーの、心配すんな』
『とか言ってお前は出しそうだから怖いんだよ』
『バーカ、俺そんなにガツガツしてねえよ』
ハハハハッと――――
車の中に、笑い声が響いていく。



