「待ってろ!すぐ行くからな」 先生はそう言うと、電話を切った。 私、捨てられたんだ…。 実の両親に…。 殺風景なこの家が、ますます冷たく見える。 20分ほどして、先生が車で迎えに来てくれた。 「美月、何があったんだ?」 「先生!」 先生を見るなり、私はその胸に飛び込んだ。 「先生、お願い。先生の家へ連れて行って」 こんな家には、いたくない。 私は泣きながら、先生に頼みこんだ。