「そっか。だから、美月は先生が嫌いなんだな」 「うん。そうなの。結局、生徒の事なんて考えてない。あの先生もね、“イジメとは思わなかった。ただの喧嘩だと思ってた“って、裏切ったのよ」 「そうだったのか…。同じ教師として、情けなくなるよ」 「やだな~。ため息つかないでよ。先生がそうって、言ってるんじゃないんだから」 重苦しくなった空気を変えようと、わざと明るく振る舞う。 そんな私に、先生は優しく微笑んだ。