先生…。 早く帰って来て。 家に着き、鍵とチェーンをかける。 と、その時、携帯が鳴った。 「もしもし!」 「あっ、美月?オレ。出張が終わりそうで、今夜には帰れるよ」 「せんせぇ~」 久しぶりに声を聞いて、私は涙が溢れてきた。 「美月?何かあったのか?」 携帯の向こうから、先生の心配そうな声がする。 「先生…。私、妊娠した…」