「それより、美月は?変わりない?」 「私は特に…」 と言いかけた時、急に吐き気を催した。 「気持ち悪い」 とっさに手で口を抑えると、お手洗いまで走った。 何…?。この気分の悪さは…。 「はあ…。はあ…」 吐きたいのに、吐けない気持ち悪さ。 さっき、フワッと風に乗ってきた、母親の香水の匂いで、気分が悪くなってしまったのだ。 「美月…あなた…」 気が付くと、後ろに母親が立っていた。