次の日あたしたちは約束通り初詣へ。
人混みが嫌いなあたしも、今日だけは全然イヤじゃない。
だって外にいるのに、家で抱き合ってる時みたいに近くにいれる。
純が人混みをかき分けて、あたしはその手に引っ張られながら後をついてく。
お参りに並んでるときは純はずっとあたしの肩を抱いててくれて。
その温もりがあったから寒さなんて感じなかった。
退屈でもない。
ゆっくりと進んでく列に流されて少しずつ少しずつお参りの順番が近づく。
「あたし実は初詣初めて!!」
肩を抱く純を見上げながら言う。
純は抱く力を少しゆるめながらこっちを見下ろす。
「え、そうなの?なんか意外」
フッと鼻で笑いながら言う純。
「そお?人混み苦手なんだもん」
「あ、そっかー大丈夫?」
心配そうに顔をのぞき込んできた。
すぐにドキッとして顔が赤くなるのがわかった。
「うん、なんとか!」
『純がいるから大丈夫』
どうしてその言葉が言えなかったんだろう…。
