・・・いつか、あの隣を歩ける日はくるのだろうか・・・。
ついぼんやりとそう思ってしまう。
前を歩いてはいるものの、村井さんの足取りはゆっくりで、まるであたしの歩幅に合わせてくれてるみたいだった。
多分気にしてくれているんだよね・・・。
そういう、どうしようもなく優しい所が大好きなんだ・・・。
ぼんやり考え事をしていると、急に村井さんが振り返った。
「和泉さん、今日なんかしゃべんないね。どうかした?」
あたしはすぐに平静を装った。
「え〜?へへ、ちょっと見とれちゃいました!」
語尾にハートマークをつけたようにちょっとふざけた感じでいってみる。
「後ろ姿みとれるってどういうこと〜?」
「さあ〜?」
あたしは大げさに目を泳がせて村井さんをからかった。
「ばーかばーか」
「え!なんでそうなるんですか!」
・・・好き。
