「え??」
「だって、カイトはそんなに鈴のこと思ってるのに、鈴は、振り向いてあげないじゃん!どんなに好きでも、ほんとに好きな人にはかなわないんだよ・・・」
ミカはその場に泣き崩れてしまった。
実際、あたしの胸にもグサッてきた。
―――どんなに好きでも、ほんとに好きな人にはかなわないんだよ・・・―――
村井さんの本当に好きな人。
あたしがどんなに思っても、かなわない相手・・・。
あたしは、泣き崩れる、ミカの肩に手を置いて、優しくさすった。
「ミカ、確かにそうかも知れない・・・」
気付けば、あたしの瞳からも涙が出ていた。
信じたくない現実。
ほんとはわかってるはず・・・。
村井さんに好きでたまらない人がいること。
その相手があたしじゃないこと。
信じたくない。知りたくない。
でも・・・。
「向き合わなきゃいけない・・・。だって、好きなんだもん。それだけはだれにも譲れない。誰に嘘をつけても、自分にはつけない。自分自身、本当に好きな人がいる限り、その人を思うしかなくない?たとえ叶わなくても・・・」
