「ゆず~、ほらっいくよ~」


雅ちゃんがボールを投げてくれる。


あたしは走ってそれを取りに行くのが大好き。


口にくわえて振り返ると、二人の姿がなかった。


え?どこっ??二人ともどこいっちゃったの?


不安になって思わずボールを落としちゃった。


キョロキョロと辺りを探していると、木の陰から二人がひょっこり顔を出した。


「へへっ。びっくりしたぁ?」


雅ちゃんがあたしを見て笑っている。


「すっげぇ探してたな」


まこちゃんも笑顔。


どこ行ってたのよー!探しちゃったじゃない。


あたしは二人に駆け寄った。


二人の匂いが心地よく混じって、あたしはそれをかいですごく安心できたの。





――――

――


一時間のお散歩から帰ってくると、雅ちゃんがキッチンでごはんを作っていた。


その間まこちゃんはシャワーを浴びてたわけ。


まこちゃんがシャワーからあがると、


雅ちゃんに「代わる。お前も入ってこれば?」と言って彼女をバスルームにうながした。


二人で入ってこればいいじゃない?


ご主人はいつも雅ちゃんと一緒に入るのに、変ねぇ。





あたしはおうちの中だから一人で大丈夫よ。


そう思ったけれど結局雅ちゃんは一人でバスルームに入っていった。