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それでも親切な俺様は鬼頭にトーストと目玉焼きを用意して食べさせたってわけ。
ったく~、世話の焼けるガキだぜ。
プチ歌南って感じだ。
食事を終えると、シャワーを浴びて着替えをする。
ワイシャツの首にネクタイを巻いている俺を見て、鬼頭が不思議そうに首を傾けた。
「どっか出かけるの?ガッコは夏休みだよ?」
「実家の病院の診療だ」
「実家?」
「親父が隣町で開業医やってる。夏休みの間だけ手伝ってるんだ」
「へぇ、先生そこの跡取り?」
鬼頭は何がおかしいのかふっと涼しい笑みを浮かべた。
「って言うわけでお前は帰れ」
「一旦は水月の家に帰るけど、また夜来るもん」
はぁ?また来るだとぅ!?
じょうっだんじゃねぇ。こんな手のかかる女、二度とごめんだ。
「水月が、先生が心配だから2、3日ついててくれって言った」
水月~
お前は俺のおかんか!!!



