やっと……
やっと言うことができた。
ずっと溜めていた言葉だ。
ずっと言いたかった言葉だ。
歌南は頬杖をついて、ゆっくりとまばたきをすると唇の端をちょっと上げて微笑んだ。
「関わらないでって?そんなの無理よ。
だってあんた
まだあたしのこと好きでしょ―――?」
ぶっ殺してやりてぇな。
最初に思った言葉がこれだった。
俺は今まで一度も女に手をあげたことがない。
まぁ多少口が悪いのは大目に見てもらって、女に暴力的な言葉を吐いたこともない。
はっ!
どの口が言う!!
誰がてめぇなんかをまだ好きだって!?
勘違いもはなはだしい。
今気付いた。
深い愛情と
殺意は
紙一重なんだな―――ってことに。



