店の選択をまずった。


千夏が勤めている病院の近くにするなんて、俺超アウェイじゃん。


そんなことを思い、出されたおしぼりで手を拭くと、


「あれが植村さんの彼氏?何か軽そう」


「チャラいって言うの?不釣合いだな。遊ばれてるんじゃねぇの?」


と隣から声が聞こえてきた。


あのぅ……聞こえてるんデスが。


軽そう?


チャラい?


うっせーな!てめぇらはどんだけよ!!


見た感じ、見るからに勉強しかしてこなかった真面目そうでどこにでもいそうな男たちだ。


確かに!


ちょっと大人しめの千夏に、俺は不釣合いかもしれねぇけど。


俺は俺で精一杯千夏のことを愛してンだよ!!


「誠人、何する?」


と千夏の声が聞こえ、俺ははっとなった。


「……じ、じゃあ生」


「わたしも。軽くおつまみは?枝豆とか。平目の刺身あるわよ?誠人好きじゃない」


「あ……じゃぁそれも」


千夏はさりげなく俺の好きなものを覚えていてくれる。


俺も千夏の好きなものを覚えてる。


これから知っていくことがどんどん増えて、


どんどん俺の中の千夏の引き出しが増えていく。





それに鍵をかけて封印しなきゃならない事態には




絶対にしたくない。