マンションに帰って食事を取り、シャワーを浴びさせると俺はこいつをベッドに寝かしつけた。
布団をかけてやる俺の手に鬼頭の冷たい手がそっと重なった。
「先生……今日はありがと」
「気弱になんなよ。今日はゆっくり寝ろ」
薄く笑うとぽんぽんと布団を叩く。
部屋を出て行こうとする俺に鬼頭が、
「おやすみなさい」と小さく声をかけた。
俺は手だけをちょっと上げると、静かに扉を閉めた。
「さて、と」
俺はケータイを取り出し、耳に当てた。
『もしもし?』
相手は思いのほか早く出た。
「よぉ。俺……」
『どうしたの?』
「今から出てこれね?駅前のAs庵でどうだ?あそこならこの時間でも開いてるだろ?」
『……いいけど、どうしたの?』
用件を言い出さない俺に相手は訝しんでるようだ。
「お前に話さなきゃいけねぇことがあんだよ」
ちょっとの沈黙があったののち、
『……わかった』
と小さく返事が返ってきた。



