制服の乱れを整えさせ、俺は二人の生徒をベッドの端に座らせた。


「学年、組、名前」


机の椅子に腰掛け、俺は腕を組んだ。


「担任にチクるつもりですか?」


女のほうが先に口を開いた。


男の方はうなだれながらしゅんとしている。


「曲がりなりにも俺はこの学校の保健医なんでね。報告の義務はある」


「こんなの誰でもヤってるよ。あたしらだけじゃないし」


女が俺を睨みながら口を尖らせた。


「あのなぁ」


減らず口に俺はちょっと呆れ顔を作った。


「別にヤるなとは言わねぇよ。だけど時と場所を選べ。保健室をホテル代わりに使うな」


「じゃホテルならいいの?」


女の強気な発言に俺は一瞬鼻白んだ。


「そういう問題じぇねぇよ。昨今のガキは簡単にヤッちまうけど、もしガキができたらどうするんだよ。お前責任取れるのか?」


俺は黙ったままの男の方を軽く睨んだ。


男は俺に睨まれてか、それとも見つかったことを恥じてか身を萎縮して肩を縮こまらせた。


「先生重すぎ。そんなこと考えてたら何もできないじゃん」


またも女が言う。






「いいじゃん、気持ちよければ」



女の大胆な発言に俺の額に青筋が浮かんだ。