でも怖かった。今だったらできたのに。

中学生のときの私は

弱みがありすぎたのだ。

次の日学校で声をかけられた。

安田 陸だった。

「ねえ!いつもなんで暗いの?」

「あんたみたいな人気者には分からないですよ。」

冷たい声で、突き刺すように睨んだ。

“心に闇がある”

たぶん私は、いや絶対そう。

心にあるのだろう

薄気味悪い闇が。

それを見透かされたのか

毎日喋りかけてくる。

「いい加減鬱陶しい」

「いいじゃーん!話に来るのは俺の勝手?」