咲春にとってこんなふうに同年代の人達と話すのは初めてで、友達が出来たみたいで嬉しくなった…が、忘れてはいけない。

自分は病気持ちで、みんなとは違うということ。
クラスだって、同じじゃなければまた振り出しに戻ってしまう。


そう思った瞬間、急に怖くなった。

また、独りになるんじゃないかって……。


「咲春、どうかしたか??」

「えっ??」

いつの間にか笑うのをやめていた自分に気が付き、蒼空にこのことを知られまいと、慌てて笑顔をつくった。

「な、なんにもないよっ」

「そうか??ならいいんだけど…」



「そういえば」


心夢が間に入ると、咲春の肩をガシッと掴んだ。

「名前、なんていうの??」

「え、わ、私は季藤さk『キーン コーン カーン コーン――♪』

「やっべ、いつの間にこんな時間!?」

「蒼空のせいで俺達まで遅刻するじゃねぇかっ」

「…って、俺のせいかよ!?」

「とりあえず走ろ!!」


そう言って私達は急いでクラス名簿を確認すると、全力疾走で教室へと向かった。