門に入るなり、どこからか河上くんの名前を呼ぶ声が聞こえてきた。

それに気付いたらしく、当の本人はその声がする方に目線を向けると手を振った。


「紘也、信、心夢、おはよ!!」

「はよーっす」

「お前、よくこの調度いい時間に来れたな??」

「さてはそっちの子のおかげかなー??」

すると、心夢と呼ばれた女の子は私を見るなり、なんだか楽しそうにニヤニヤと笑っている。

「やっぱりそうなんだ♪」

「う、うるせっ!!」

「ごめんねー、このバカが」

「は、はぁ…」

「蒼空、お礼は言ったの??」

「言ったよ!!当たり前だろっ」

「ふーん」

「なんだよっ」

「お、また2人がモメてる」

「バカ2人」

『なっ?!』

くすくす、と咲春が笑うと、蒼空と心夢は何故だか顔を赤くした。
紘也と信はというと、やれやれというように呆れ顔をしてその様子を見ていた。