「あれってオリオン座じゃない?ってそれ以外わからないけどなー…。」

確か沢山先生が前に教えてくれたっけな…。
2人でただぼぉーっと星を見上げてた。
2人で見た星は、なんだかいつもより輝いて見えた。
星ってよく見ると、こんなにも綺麗なんだって思った…。
何億光年かけて宇宙からこの空に届いてきた光…それが星。
先生はそう教えてくれたよね。

こんなに沢山の星があるのに、私達はオリオン座を見つけた。
何度も何度も見つけだした。
それって今思えばすっごい奇跡だったよね。
じゃあ、こんなにも沢山の人がいる中で私と中川先生が出会った。
それもすごい奇跡ですか?
それとも運命になるのですか?


「あ、先生、私家ここなんで…。」
「へぇーっ、近いなぁ。まぁ…じゃあまた今度。僕、星のなんかみるやつ持ってるんで…。」
「星の…みるやつ?」

身振り手振りで私に"星のみるやつ"を、一生懸命教えようとしてくれたけど私は分からなくて…。

「まぁ、見たら分かるって!だからまた見せる。んじゃあおやすみ。」

結局また後日見せてもらう事になった。

「はい!ありがとうございました。おやすみなさい。」


なんか…本当にいい先生なんだね。
初めて沢山先生以外の人と2人で歩いた帰り道。
なんか緊張しちゃった。
でも別に中川先生だからってわけじゃないよね?
だって私、中川先生の事なんて全然知らないもん。

**

「おっ、相原さんじゃないですかぁ。こんばんは。」
「中川先生…。もうどうしようっ、自信ないですよ。」

それから変わらぬ日々が過ぎていき、とうとう私立入試の前日に。

「まぁなぁ…。あ、朝の応援、俺こっそり校長に、相原さんが受ける高校なら原付きでいけて楽だからって、そこ頼んだけどまず俺応援係に入ってなかった…。」