「3年後…じゃなくてもよくね?いや、今すぐはさすがに在学中からできてたの?ってなるけどさ…。てか俺、いっそ先生やめようかなぁ。」
「え、や。それは駄目です!私なんかの為に辞めないで下さい。」

今、先生が"先生"じゃなくなれば規則なんて関係ないかもしれない。
だから後は先生の気持ち次第で、この恋は叶うのかもしれない。

でもこの時自分勝手の中で、即答て"嫌だ"って思った。
どうしてだったのかな?
ただいえるのは、先生の何かを奪ってまで叶ってほしいとは思ってなかったから…。

「でも、俺が試験おちたら…。」

分かってるよ。
それでも…私の気持ちは変わらない。

「まぁ、頑張る。相原さんの為にも。僕が受かるよう…祈ってて下さい。」
「はい。」

泣きそうになった。
新しくでてきた壁。
もう本当に祈るしかない。

「やー!でもやっぱ迷う。だって相原さん…本当色んな人と出会うんですよ?」

頭をくしゃくしゃってする先生。

「それは…そうですけど…でも。」
「もしかしたら、俺よりいい奴いるかもよ?」
「…。」

否定は…したかったけどできなかった。
だって未来なんて分からないから。
もちろん"私が好きなのは先生だけです"って言いたい。
ううん、きっと本当にそうだよ。
でもきっと伝えられない。

結局、私の門限が迫ってきて…。

「まぁまた、何かあったら電話して。そんなに急がなくてもさ…。俺、あと1年は絶対ここにいるし。もっとお互い知ってゆっくり考えよう?」

もっとお互いを知る。
そうだよね。
まだお互いがお互いの事、全然知らないんだもんね。

「はい。」
「あ、そうだ。1つ大事な事言い忘れてた。相原さんは…ただの生徒なんかじゃないし。本当、お気に入り…だから。気まずくなんて、俺がなりたくない。もしそうなったら、僕が悲しいです。分かりましたか?」
「はい。」