「今って4月6日だよな?6月に1度試験があって、9月か10月にもあるんだ。俺、法律の道進みたいから…その…大学院の試験。その試験に受かれば、少なくとも2,3年はここにいる。でも落ちたら…就職する為に、ここからかなり遠い実家に帰る。」

大学院…。
その合否が…先生の色んな事決めちゃうんだ。

「んでほら、ここ…。僕の生年月日だから。計算してみて。」

22歳…。
私と7歳違うんだって事言いたいの?

「俺は年齢なんて気にしない。でも…な、色々あるし、気持ちは嬉しいけど…。」

駄目…なんだ。そうだよねっ。
だってやっぱおかしいもんね?

「俺、高1から彼女いないんだ。相原さんはこれから、まだまだ沢山の人と出会う。3年後も今も青春の真っ只中。そこで俺みたいなおっさんでいいの?って思うわけ。相原さんには俺にできなかった青春…してほしい。」
「違うんです。私はこれから出会うその誰かじゃなく、先生がいい…。」

先生は"うーん"と少し考えこんだ。

「相原さんは…僕の理想です。西野が相原さんの事好きって知った時、"目の付け所あんなぁー"って思った。でも僕は先生です。もし相原さん、考えてみて。好きでもない教師に告白されたら…気持ち悪いでしょ?だからせめて、相原さんみたいな人探そうと思ってた。先生じゃなきゃ、俺から声かけてた。」
「はい…。」
「だから俺的にはアリなんだよなぁ。ぶっちゃけ今ここで付き合う?とかね。なんか相原さんって今までにないタイプだし、なんかずるいけどほっとけないし…。」

先生?今どうなってるの?
わかんないよ…。
駄目じゃないの?

「でももし付き合ったとしてもさ…きっと俺の嫌なとこも見えてくるよ。それに付き合い方とか分からないし。」
「そんなの私もです!私の嫌なとこだって…。それにきっと先生じゃなくたって、相手が誰でも嫌なとこは見えてくるでしょう。人は完璧じゃないから。でもそこからどうなるか…じゃないんですか?」

私思うんだ。
きっとこの先どうなったって、何があったって嫌いになんてなれない。
きっと先生の駄目なとこも好きになるの。
だってこんなに好きなんだもん。

「そっか…だよな。てか3年後って、俺がそう言ったから?」
「そうですけど…。」