[完]ヤクザが愛する女~Ⅰ~

「李久…どんな子でも女の子は殴っちゃダメ…いくらあたしの為でもそんなことされて嬉しいはと思えない…。」


俺はハッと我に返り
殴り掛かろうとしていた
手を引っ込めた。


「ごめんな…女なのに殴ろうとして…。でもな、俺の女は沙璃だけなんだ。沙璃以外の女なんて無理なんだ…。分かってくれないか…?」


俺がそう言うと


「すごい一途なんですね…。沙璃先輩が羨しいな。たぶらかすなんて言ってごめんなさい…。あたしも李久先輩以上の男の人見つけてみせます!」


そう言ってニコッと
俺たちに笑い掛けて
走りながらどこかへ行ってしまった。