[完]ヤクザが愛する女~Ⅰ~

「俺たちの組と他の組が違うのはな『やり方』なんだよ。」


やり方…?

夏愛が不思議そうな顔をすると


「あぁ、やり方だ。他の組は当たり前なように銃や刃物を使う。だが俺たちはそれを使うことはないんだ。」



「何で?使わなかったら龍司さんたちが怪我しちゃうんじゃないですか?」



「あぁ、そのせいで俺たちの組は何人もの負傷者を出した。だけどな、いくら銃を使っても刃物を使っても解決しねぇこともあるんだよ。」


龍司が静かに吐いた。