なんて腹黒い事を思っていた。 すると突然、 「先輩、あたし手加減しませんよ?」 真顔になって言った小娘に、 「なんのこと?」 あたしは惚けてみる。 「わかってるくせに。先輩強がりで可愛い」 そして、そうバカにして何処か行ってしまった。 「…………」 ……手加減してくれよ…。 小娘なんかが相手じゃ、この先不安でしょうがない。 試合をする前からもう、既に負けてるあたしの気分は酷く憂鬱だった。