落ち着いたあたしは、

「ねぇ、ビールちょうだいよ」

そう尋人の肩を揺する。


わかんない。わかんないけど、何か泣きそう。

言われた事は正しいし、その言葉に傷付いた訳じゃないけど、なんか泣きそう。


良くわかんないけど、今なら1秒で泣ける。

その証拠に、たまってきた涙で尋人がちょっと歪んで見える。


「1杯だけだそ」

あたしの顔は見ずそれだけ言った尋人は、店員さんにビールの注文をしてくれた。