涙なんて出ない。
分かってた
あたしには分かっていた
二人があたしの悪口を言ってる事なんて
分かっていたのに
あたしの友達はあの二人だった
逆に言うとあの二人しかいなかった
涙が出ない
泣いてしまいたいのに泣けない
だってあたしにとって二人も本気で大切だとは思えないから
毎日 自分の言葉を押し殺して来たあたしには渇いた感情しか無い
あたしは屋上の空気をおもいっきり吸って大きなため息をついた
きっとあたしは明日も二人に囲まれて引き攣った笑顔を見せるのだろう
なぜ あたしは自分を殺して生活しているんだろう
分かってる
理由なんてありきたりだ
一人になりたく無い
それだけの理由であたしにしたらとても大きな問題
「はぁ…部活行かないと」
ボソリと呟いてあたしは体育館へ足を運んだ

