「ここね……」
森を抜けるとお城の庭にたどり着きました
そこには綺麗な薔薇が咲き乱れていました
「君は…アリス?」
(あら、これは初挨拶ね。)
振り向くとトランプの兵士がいました
「ええ。私を知っているのかしら。」
「はい、女王様がお待ちです。」
「そう。でもごめんなさい。私もう少し薔薇を見ていたいの。」
(…なんて。
これくらいの薔薇なら家にもあるわ。
女王様だかなんだか知らないけどそんなの待たせておけば良いのよ。)
アリスには女王様の所へ行くつもりなどさらさらありません
「わかりました。ごゆっくり。」
「ええ。ありがとう。」
トランプの兵士は城の中へ入って行きました
(あ……)
アリスの目の前を二足歩行のウサギが駆けて行きます
(あのウサギ……ボコる。)
アリスはウサギに連れてこられた恨みを忘れていませんでした
今度は走って追いかけます
しかし、アリスの驚異的な身体能力をもってしてもウサギに追いつけません
(とことんムカつくウサギね。)
いつの間にかアリスは城の中を走っていました
(なんだか踊らされているようで癪だわ。)
アリスはなんだかあのウサギにも女王様にもムカついてくるのです
しばらく走るとウサギはいなくなりました
(うざ……)
アリスはめんどくさがりな娘なのでこれだけ面倒なことをやらされて諦めるのは嫌なのです
アリスは目の前の大きな扉を開けました


