「家に帰りたいかい?」
(いきなり何よ。)
「そうね。」
「だったらこの道を真っ直ぐ行きなさい。お城が見えるよ。」
「ありがとう。」
アリスはこれまた胡散臭い笑顔でお礼を言いました
「いや、礼には及ばないよ。“アリス”のためだからね。」
「へぇ。それは嬉しいわね。」
アリスはウサギに向けた以上の冷たい目を帽子屋に向けました
「…驚かないんだね。」
「あら。驚いて欲しかったのかしら?」
「そうだね。そのほうが僕は面白かったかな。」
(なんであんたのために面白いリアクションをとらなきゃいけないのよ。)
「ごめんなさい。ご期待にそえなくて。」
「いや、そんなアリスもかわいいね。」
何故でしょう
2人とも笑顔なのに空気が凍っています
「それよりも、どうだいアリス?君もお茶会に参加しないかい?」
ゴーン
お城のほうから鐘の音が響いてきます
「まったく…女王様は気が短いな。」
帽子屋は一人言のようにぶつぶつ
「はぁ…アリス、早く行ったほうが良いようだ。」
「そのようね。ではごきげんよう。」
アリスはお城に向かって歩き出しました
とってもマイペースに


