(……まぁ、いいわ。)
アリスはだんだん考えるのがめんどくさくなってきたようです
本当にめんどくさがりな娘ですね
「あら?」
進んでいると少し開けたところがありました
「やぁ、お嬢さん。」
「こんにちは。」
(なんだかデジャヴだわ。)
そこではお茶会を催していたようでシルクハットの男の人が紅茶を飲んでいました
「お嬢さんのお名前は?」
「人に名前を聞く時はまず自分からじゃなくて?」
「これは失礼しました。
私は帽子屋。以後お見知り置きを。」
「ええ。まぁ、私は名乗りませんわ。個人情報ですもの。」
……………。
アリスはフェアではありませんでした
「ははっ。賢明ですよお嬢さん。世の中どんな悪党がいるかわかりませんからね。」
(胡散臭いわね。)
アリスはそれはそれは帽子屋を疑っておりました
アリスの一番嫌いなタイプだったのですね


