しばらくすると



「た・い・へ・ん・だー!遅れちゃうよー。」


先程のウサギが声を大きくして戻って来ました


今度はアリスをガン見です


「た!い!へ!ん!だ!あ!」


はぁ……

アリスは冷たい目でウサギを見たあと本を置いて立ち上がりました


(何かしらこのウサギ。追いかけてあげるわよ、仕方なくね。)



アリスはゆったりとした足取りでウサギを追いかけます


ウサギは後ろを確認しつつ、アリスに合わせて前を行きます


(……急いでいないのかしら。)


アリスは自分のせいだとは微塵も思わずついていきます


するとウサギはいきなり消えてしまいました


否、大きな穴の中に入って行ったのです


(ここに入るのかしら……汚いわね。)


アリスは一瞬躊躇いましたが、仕方ないのでその穴の中へ

それはそれは優雅な動きだったとか