「ゆみかーっ?
もう部活始まるよーっ」


やばっ
この人達のせいでもう少しでコーチに怒鳴られる所だった。


「…じゃあ、
コーチに怒られちゃうので。」

「えぇーっ
もぉっ?部活、何時に終わるの?」


しつこい…
涼って人はすごくしつこい。

そんなこと…普通に聞くもん?
迷惑だって思われてるのがわからないわけ?

財布なんて拾おうとしたあたしが馬鹿だ。


「ねー
な・ん・じ?」


しつこいんだよっ


「そういうの、迷惑です。」


そう言って聡美の所に小走りで向かった。
心は全速力で走ったと思う。

背中の方からは話し声が聞こえる。

もう少ししたら諦めて帰ってくれるだろう。





「あの子…
おもしろいね。」



後ろで何か言っている気がした。だからって、何を言っているのかは不明だが…



「さあっはじめるぞー!」


コーチがグランドに出てきた。