更衣室に向かった。

聡美はバッグを置くと、


「ちょっと行ってくるね。」


と言ってコーチのいる所に行った。

まだ部活開始まで20分近くある。この時間をどうしようか。

更衣室の窓から外を見た。
1、2年生がグランドで走っている姿が見える。

校門の方を何気なく見た。
誰かがいる。
顔は見えないが、男の人が3人いるのがわかった。

よくわからないが、1人がこちらに向かって手を大きく振っている。

1、2年生は気付いていない。

校門へ行くことにした。


校門に行くと、学ランを着ている男3人だった。
うちの中学の男子はブレザーなので他校の生徒なんだと思った。


「すいません、そこの財布を取ってもらえますかねー」


見ると、校門から大分離れた花壇に長財布がある。

きっとこれのことだろう。


「あ、わかりました。
ちょっと待っててください。」


花壇の方に行って財布を拾った。拾った時、重かったので大金が入ってると思った。


「どうぞ。」


男の1人に手渡した。
その男はワックスで髪が良い感じで盛られていて、髪は黒かったがチャラ男だった。