ありがちな青春物語


ふーん。
それにしても…海上陽介、だっけ。
聡美が知ってるって事は、隣の中学まで知れ渡ってるって事だよね。

すご…

ってことは、はんぱなくもてるんだろーなぁ。
ちらっとしか顔は見なかったけど、あの眼はすごい。

大きいだけじゃなくて、何て言うんだろ…

心が見透かされるような……

多分、そんな感じ。


階段を上る音が聞こえる。

聡美だ。


バタン


「おまたせー。」

「おかえり。
なんか、ほんと、すんません…。」

「いーって!」


新たに第二のオレンジジュースのパックを開ける。


「てかさー、由美香はあの人のことが気になるみたいだけど。
なんで?」


うわ…
なんで話を戻すかな。

しかも1番めんどくさい感じの話題に…。


「だから、別に気になるってわけじゃなくてっ
ただ、どんな人なのかな、と思っただけ!」

「へー。」

「聡美こそっ
なんであの、海上陽介について、そんなに詳しいの?」