「彼はここらの中学生とは思えないほどの頭がめちゃくちゃ良いんだよ!」
「へ、へぇ〜…」
聡美がすっ、と息を吸い込んだ。
やば、何かくる。
「さらに、運動神経抜群っ
特に陸上競技で都内では彼の右に出るのはいないの!」
「ほ、ほぉ〜…」
「性格は少々…」
聡美の顔が少し曇る。
「性格悪いってこと?」
「いや、悪いってゆーか…」
「?」
聡美が苦笑した。
「クールすぎる、みたいな。」
「は?」
「と、思いきや超肉食男子!?みたいな。」
「なんじゃ、そりゃ。」
呆れる。
全く正反対の性格はお持ちってわけ?
「本当のとこはよくわかんないんだよねー。あたしもそれぐらいしかわからんわ。」
「いや、そこまでわかりゃ十分でしょ。」
聡美が立ち上がった。
「ジュース追加してくる。」
そういえばあたしがほとんど飲んじゃったんだっけ!?
「ごめーん。」
「はいはい。」
バタン。
聡美が1階のリビングに降りていく足音が響いた。
