｢あ…｣
この人は…
なんでだろ。
名前、覚えてる。
海。
苗字なのか、名前なのかはわからないけど、
あだ名なのかもわからないけど、
この人が海って呼ばれていたのははっきりと覚えてる。
｢これで迷惑かけたの二度目だよね。ごめんね。｣
｢いえ……。｣
すごくまっすぐな目をしている。あたしは催眠術にかかれたかのように自然と返事をしてしまった。
｢……ねぇ、由美香。｣
はっとして聡美の方を見た。
状況が理解できなくてしばらく口を閉じていたが、ようやく開いた。
｢どういう関係？
二度目って？｣
すぐに聡美に話したかったけど、今この人達の前で話すのも避けたかったので、
｢それじゃ。｣
２人から逃げるようにして、ゲーセンを後にした。
