「だって、ノロケ嫌だったんじゃ……」 まあ、ノロケじゃないんだけどね。 そう思いながらも和にそう言う。 ……と和は、そうだけど、って口を尖らせてすぐに笑った。 「水族館とかはー?」 って、アドバイスしてくれる。 「……水族館?」 「そう、水族館。 黒川って遊園地ではしゃぐタイプじゃないだろうし。 映画だと話す機会減るでしょ?」 「なるほど……」 確かに、その通りかも。 黒川くんがはしゃぐのなんて想像出来ないし、私も映画見るより話したい。 でも―― 「なんで水族館?」