「くろか――」 「黒川くん! 何で中川さんと抱き合ってるのっ!?」 黒川くんを呼ぼうとしたら、黒川くんのミーハーな人達が遮る。 しかも、なんかまたベタな台詞で。 ……黒川くんなんて言うんだろう? なんかドキドキしながら黒川くんを見つめる。 「言わなきゃいけない?」 「――っ」 わたしに向けられたわけじゃない。 だけど、感情がこもってないその声に、身体がビクンと跳ねる。 なんか……少し、怖い。