クロネコ彼氏




「あのさ」


「え?」


「俺は別にいいけど、ここ教室」


「うあっ!」



そうだった!

ここ教室だったっ!!


ドキドキし過ぎて忘れていた事実を思い出して、アタフタする。



そっ、それに。


周りの人達から見たら、私が抱き着いたみたいに見えたんじゃあ……。



自然にコクン、と喉が鳴って、チラリと周りを見てみる。




「うっ」



横目に見えたのは、


面白そうに私達を見る男の子。

怒りをあらわにしている女子の皆さん。

ニヤニヤ笑っている和。



はっきり言って注目の的だった。




「……ヒッ」



どうしよう。


女子の皆さんの視線がハンパない!