頭がちゃんと言葉を理解して、頬に熱が集まる。 どうして、黒川くんは―――。 一時限目は大嫌いな数学だ。 大嫌いな数学の問題を解く一時間と、黒川くんと一緒にいる一時間。 どっちをとる? なんてもう決まってる。 「……サボりたい」 黒川くんと一緒に居たいに決まってる。 「うん。じゃあ行こ」 「うん」 嬉しくて、ふにゃって笑ってしまう。 だらし無い顔してるんだろうけど直らない。だって嬉しいから。 そんな私の顔を見て、黒川くんも優しく微笑んだ。 ……気が、した。