そう答えて、へらり、笑う。
だけど、んん?
“奪われてしまうんじゃないかって……”
さっき考えたことを思い出して、ボッ、と顔に熱が集まる。
え、え、え。
だって、……え?
一人顔を赤くして、パニックになっていると。
ぽんっと頭を小突かれて、私にだけは優しい彼の声がした。
「伊織」
どくどくどく。
いきなり心拍数が上がって、身体中の血液が沸騰するような感覚。
もともと赤かった顔が更に赤くなった。
「く、黒川くん」
「……何でそんな顔赤いの」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…