「あれ?宏揆じゃん!」
俺は反射的に持っていた本を
本棚へ戻した。
「何しに来たんだよ」
「美羽探してるんだけど見なかった?」
「見てねーよ」
「杏子ー?ドコ行っちゃったのかな?」
「あっ!美羽ーー!ッ‥‥‥!!」
ガタッ!!
「杏子?今凄い音したけど大丈‥‥夫?」
うゎ‥最悪。
多分1番見られたくねー奴に見られた。
杏子は俺の上で顔を赤くしたまま固まってるし‥
「早くどけって。ドジあんこ」
「っぁ。‥ごめん。」
何があったかは大体予想がつく。
杏子が菊池の所へ行こうとした瞬間に俺が直した本が落ちて来て、
見事に杏子がそれに引っかかって転んだ。
しかも俺を巻き込みながら‥
だから簡単に言えば俺の方が痛い目にあってる。
菊池に見られたのは丁度俺の上に
杏子がいる状態。
あと少しずれてるとって考えると
ぎりぎりセーフか‥。

