天秤の鏡界

「お帰りなさいウル」


聞き覚えのある声に
優衣は振り向く


「……ネル!!」


優衣は嬉しそうに
ネルの名前を呼んだ


「優衣!良かった
無事でしたのね!!」


そう言ってネルは
優衣を抱きしめる


「会いたかったぁ」


優衣は思わず
涙を滲ませた


あぁ…あの短時間で
命の危険を二度も感じた


やっと知り合いとも
呼べる人間に出会えたのだ