天秤の鏡界


「…………吐きそう」


ぐったりとした優衣を
少年は抱えて城へ入る


「…此処で吐いたら
殺すよ?」


少年は相変わらず
無表情なまま言った


「…はいはい…
分かってますって…っうぷ」


優衣は慌てて
口元を抑える


「…捨てるよ?」


少年は優衣を
ギロリと睨み付けた