天秤の鏡界


「…ネル様があんた
を連れて来いって…」


少年の言葉に
耳を疑う


「…今…ネルって
言った!?」


優衣は少年の
腕を勢いよく掴んだ


「………………」


少年は驚いたように
目を見開いたまま
優衣を見つめる


「…どうしたの?」


優衣は不思議そうに
首を傾げた


「…あんた…
俺が…恐くないの?」


「恐い!」

少年の言葉に
優衣は即答する