天秤の鏡界


「…う、嘘……」


優衣は鏡を背に
後ずさる


《優衣!!
…っ…仕方ありません…
本当は…ちゃん…と鏡界が
繋がって…から優衣を
こちらへ喚ぶ…
はずでしたが…》



少女はそう言って
優衣に手を差し出す


《早く!!こちらへ!!》


少女の言葉に
優衣は目を見開く


「こちらって……
無理だよ!だって鏡の
中に入るなんて……」


いくらなんでも…
ありえないよ…


《私は優衣…を信じています
だから…
私…を信じて…下さい…!》



少女の言葉に
優衣はハッとする


そう…だよね……
どんなにありえなくても
彼女を信じよう…


「うん…分かった!!」


もうどうにでもなれ!!



優衣は目をつぶって
鏡へ向かって突っ込んだ