天秤の鏡界


「…逃げる!?
って何処へ!?
何から!?」


優衣の言葉に
少女は困った顔をする


《…あなた…を狙う
全ての…者…から…》


あたしを狙う…?
な、何もした覚えないのに


まさか…無意識に
誰かの恨みを…


《…あなたは祈りの
天秤に…選ばれし者…》


祈りの天秤…?
…選ばれし者?


「その…何とかの
天秤って何?」


《…どんな願いも
叶える神具です》


その言葉に優衣は
目を見開く


「…どんな…願いも…?
ってどうしてあたしが
そんなのに選ばれたの?」


優衣の言葉に
少女は首を振る