天秤の鏡界



「今の人…なんか
カクカクしてたね」

「カクカク…ですか?」


あたしの呟きに
ネルは小首を傾げた


「要は…完璧な作法だと
言いたいんでしょ」


「おわあっ!?」


ガタンッ

突然背後に聞こえた
声に驚いて立ち上がる


いつからそこに!!!?


「ななななーんで
って…いつから!!?」

「ふふっ…最初からずっと
いましたよ」


ネル…気付いてたなら
教えてよ…


「鈍いあんたが悪い」

「鈍くて悪かったわね!!」


フンッとお互いに
顔を背けた